デザートはあなた 森 瑤子
休日のブランチにパスタを食べていた時のこと
妻が突然、不意に、思いがけず、藪から棒に、何で今日ここで!というタイミングで「パスタを作るたびに、海辺でパスタを海水でゆでたっていう『デザートはあなた』の話を思い出すんだよね~」と言い出して、思わず私はギクリとしたのです
15年以上も前(もちろん、妻と出会う前の遥か昔)、日曜の深夜放送でやっていたそのテレビドラマを私は毎回楽しみに観ていたのだけれど、森瑤子の原作小説は読んでいなかったので、そのことを(なぜか)急に思い出して2日前にamazonから「古本」で入手したばかりでした
原作が相当に面白いであろうことはわかっていたので、どうせ手にするなら「単行本」「初版」「美品」「帯付き」を、と昭和生まれの本好きが陥りがちな無意味なこだわりで探し、お目当ての1冊を購入したのです
ただ絶版となっていたその単行本は定価の3倍以上の値が付いていたこともあり、妻には内緒にしようと職場宛てに送付してもらって受け取っていました
天網恢恢 疎にして漏らさず
天誅が下された、そう私は観念して『デザートはあなた』を買ったばかりであることをパスタを食べている最中に打ち明けたのでした
購入価格には触れずに
いま家計はすべて妻に任せているので、銀行の口座から不穏な引き落としがあればキビシイ追及に遭いかねない、とドラマ「半沢直樹」の最終回をいっしょに見ながら心中穏やかではなかったのです
「絶対に塩辛すぎるにきまってるわ」彼女は断固として言った。
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