やっぱり釧路は美味しいぜ!! 「おやじの出番」編
先週末、ANAクラウンプラザホテル釧路のスカイラウンジ「ビギンズ」で催された道東食材によるスローフードイベント
盛会のうちにお開きになり、参加者へ見送りの挨拶をする熟年仕掛け人ダンディーFourの面々の笑顔は、kickさんが描いたフライヤーの似顔絵イラストそのまんま(笑)
それにしても、楽しくて美味しいひと時でした!
そのサワリをさっと紹介させて頂きますね
釧路・ホエー鯖の香草風味焼きにそのリエットをのせて
茶路・仔羊のパテ 白糠酪恵舎・モッツァレラ
釧路沖・灯台ツブと尾幌・椎茸のマスタードソース
標茶・星空の黒牛のパストラミ
というのがメニューに記された内容(下の写真)なのですけど
それ以外に 今とても注目を浴びてる釧路産パプリカも入っていますし、時計で言えば22時の方向に正体不明のチーズも乱入しています
味わった感じは、ホロホロと口中で崩れる儚いコンバンビーノかな?という印象
会の冒頭に行われたお三方の生産者トーク(かなり深刻な話題もありました)を伺いながら、このひと皿に盛られた道東のエキスにすっかり心を奪われたのでした
阿寒ポークの自家製ハムと白糠酪恵舎トーマシラヌカを詰めた摩周そば粉のガレット
私にとっては北海道での body & soul food になっている料理
道東産のそば粉を洋風に楽しむなら、これがイチバンでしょう!
釧路沖ホエートキシラズのポアレ
厚岸・浅蜊とトマトのハーブレモンソース
このホエートキシラズに、座がざわめきました
そう、みなさん口々に「これ、美味しい!」と
してやったり、の表情は釧路フィッシュの平野さん
もちろんトキシラズは脂がのってるのでそのままでも十分に美味しいのですけれど、ホエーで処理することによってその旨みと「しっとり感」が段違いに深みを増しています
楡金シェフも、トキシラズという食材の調理法に新しい展開をもたらした、と嬉しそうにおっしゃっていました
茶路・仔羊のいろいろな味の組み合わせ①
シューパウロと釧路野菜
出汁が染みたカブやロマネスコなどの野菜が、また美味しいんです
茶路めん羊牧場の武藤さん
「羊肉から出る旨みだけでダシは十分なので、塩以外は入れる必要が無い」
同席したみなさん、論より証拠でシューパウロを口に運びながら超~納得
茶路・仔羊のいろいろな味の組み合わせ②
ローズマリー風味のもも肉のローストと摩周・越冬キタアカリ
茶路・仔羊のいろいろな味の組み合わせ③
トリップと釧路・サラダパプリカの煮込み
このローストとトリップは、もう何も言わずに ひざまずいて食べるしかない究極の美味しさでしょう
トリップに使われている内臓(特に胃)の種類について、武藤さんから見分け方を教わりながら味わえたのも、このようなイベントならではの楽しさでした
白糠酪恵舎リコッタチーズのムース
紫蘇の香りを付けた上茶路ブルーベリージュレ
釧路丹頂いちごのジュレ
出来立てのフレッシュチーズ本来の美味しさを堪能するデザート
酪恵舎があるからこそ味わえる地元民の特権だと思います
白糠酪恵舎の井ノ口(いのくち)さんからは、いま手がけている新しいチーズの製法について熱いテーブルトークがありました
最初のアミューズ5種盛り合わせでメニューに載っていなかった、お皿の22時辺りの、この正体不明チーズ
これはまだ試作中で、本邦初公開の「アジアの恵み」(仮称)というチーズだそう
凝乳酵素として動物由来のレンネットを使わず、植物の種から抽出した自家製レンネットを使って全て国産でチーズを作ることにこだわり、さらに釧路の地酒「福司」の酒粕で風味付けをしたとのこと
ヨーグルトのような特徴のある酸味は、福司酒粕の酵母から来ているのでしょうか
これまでの酪恵舎のチーズのなかでも、かなり個性的な位置付けになりそうです
最後に登場したANAクラウンプラザホテル釧路の楡金総料理長
「私は『地産地消』という言葉が大キライなんです」という爆弾発言が、いきなり飛び出しました(笑)
道東でその実践の先頭を楡金シェフが走って来られたというのは、衆目の一致するところ
でもご本人にとって、地産地消はごく当然のことであり、特別なものとしてとらえることは もう何かちょっと違うんじゃないか、という思いのようです
道東の素晴らしい食材に対する楡金シェフの思い入れはとても強いので、地産地消という言葉の独り歩きに惑わされず、今後もいっそう精進したいと締め括られました
〆の気勢のかけ声、「やっぱり釧路は美味しいぜ!!」
なお、食材の生産者と料理人、そして食べる「あなた」との相互に関係性を作り上げる「やっぱり釧路は美味しいぜ!!」イベントは、これからも様々な場所と機会をとらえて開催してゆくとのこと
これからの開催情報については、事務局の白糠酪恵舎ホームページをご覧ください
| 固定リンク
コメント
生産者御三方の話は、日本の食のこれからの厳しさを
うかがわせるものでした
日本の牧羊が過去に輸入自由化によって壊滅的打撃を受けたこと
いま進んでいるTPPに代わるEUとの経済連携協定(EPA)が発効すれば、乳製品なども同じような影響を受けること
日本でこれまで当たり前だった、前浜で獲れた魚の刺身が店頭に並ぶということが、国の規制の厳格化で出来なくなる見込みであること
などなど
「食べる」側もますます「食」と真剣に関わらなければならない時代になってきます
投稿: ユンボギ | 2017年6月28日 (水) 22時20分