なだ いなだ
40年近く前に出された新書本、ワインに興味を持ち始めた頃に読みました。気取る必要はないけれど、楽しむためにはそれなりの「味わい方」があることを教えてくれた1冊です。知人に貸したらそれっきりで戻ってこないため、上の写真の本は氏の訃報に接して再読したくなりネットであらためて求めたもの。既に絶版となっていて中古でしか手に入りませんが、未読の方には是非おすすめしたいです。
HATCH BAKERY
釧路の文教地区、文苑(ふみぞの)にあるパン屋さん。オープンしたのは昨年の8月だそう。2日前に知人のベタボメで教えてもらうまで知らず、本日初めて伺いました。
店内に足を踏み入れて、ボーゼン。「釧路にも、とうとう出来たか・・・」
そんなパン屋さんです。どれだけ待ち望んだことでしょう!
ハード系、デニッシュ系、調理パンなど、圧倒される品数でどれも美味しそう。調理パンにはあまり食指が動かない私も、伺ったのが昼時だったこともあるけれど、好きなハード系以外に二品ほど調理パンを購入しました。それがベラボーにおいしくて、感動ものでした。基本のパンがおいしいから、調理パンがおいしいんだと教えられました。
ハード系、バゲットはもちろんフリュイ、カレンツブロート、リュスティックなどなど、これでも抑えて買い込みました。
バゲットは、皮パリ中モチッ これだけでパクパク食べてしまえる。あっという間に1本、食べ切ってしまいました。
フリュイは、もうこれがあれば赤ワインはいくらでも、という感じです。私にとって必要なものがこれで釧路に揃った、と言ってもいい一日でした。
HATCH BAKERY
釧路市文苑1-9-3
営業 7:00~17:00
定休 木曜日、第2水曜日
電話 0154-65-5185
https://www.facebook.com/HatchBakery
デルナード 釧路全日空ホテル
6月1日に改装オープンした、ホテル1階のメインレストランで友人たちと夜の会食
【追記】 ホテル名称が2013年8月1日より「ANAクラウンプラザホテル釧路」へ変更になりました。
友人ふたりは、別所で同夜開催の梅原猛氏講演会を聴いてからの流れ。なかなか面白い話で、盛況だったとのこと。
お魚料理は、テーブルまで運ばれてくるワゴンから食材を選ぶことができます。 この日はタンタカ、ホタテ、トキシラズ、ソイがありました。
楡金シェフのおすすめに従い、タンタカをカルパッチョに、トキシラズをグリルでお願いしました。
白糠酪恵舎の旨み塩チーズ‘リコッタ・サラータ’を使っていることでタンタカの美味しさが際立ってきます。
標茶町のブランド牛「星空の黒牛」で造ったパストラミを使って、新設のピザ窯で焼いたもの。改装は客席だけでなく、キッチンや調理器具も大胆に一新されています。
トキシラズのグリルは、セミオープンキッチンでテキパキと調理していた楡金シェフみずからサーヴして下さいました。
脂がのった旬の時鮭をブイヨンとバター、レモンのソースで。美味しいものを食べ慣れたHさん、J氏のお二人も絶賛のひと皿。本当においしかったです!
パルミジャーノの他に不思議な旨味が感じられたのだけど、イサダを使っているのだそう。
最良の部分をたっぷりと、ホテルのメインダイニングならではの、とても贅沢な食材の使い方です。 客としては嬉しい限り(笑) 頬がゆるみっ放しです。
地産地消にこだわる楡金シェフのセレクトは、白糠酪恵舎のテネッロ・アル・ヴィーノとロビオーラ
新しく厨房にスタッフとして加わったパティシエは30代の女性なんだそう。私は皿の上に載ったものは基本的に全部味わってしまう派なので、薔薇の花もミントの葉も余さず頂きました。
最後の客となった私たちの料理を全て作り終えて、厨房から出てこられた楡金シェフ。思い通りの改装が出来たとのことで、これまで以上にやる気満々でした。
楡金シェフは私たち3人が関わる北のガレットの会の代表も務めています。遅くまでオジャマして済みませんでした。お料理、素晴らしかったです!
茶路めん羊牧場 仔羊の地蕗詰め ロビオーラ風味
オルディネールで開催された 第162回釧路ワインを楽しむ会 で供された一皿
いつものように泡、白、赤と続いたのですが、今日の赤はオー・カルルの垂直!
垂直テイスティングなんて個人じゃなかなか出来ないので、こういう機会はありがたく、とても貴重です。
お料理のいくつかを紹介すると
真イカのファルス フレッシュトマトのソース
酪恵舎リコッタチーズと夏野菜のテリーヌ
時鮭の自家製スモーク ホワイトアスパラのピクルス添え
左のグリーンはブロッコリーのソース
角度を変えて
鴨肉の下には釧路町のカブ。使われている香辛料はコリアンダー、カルダモン、クローブ、タイムとのこと。
さて、冒頭の
茶路めん羊牧場 仔羊の地蕗詰め ロビオーラ風味
鴨のローストの前に供されましたが、厨房ではどんな風に仕上がっていったのか
お皿には羊ミンチ肉が詰められた地蕗が林立
これに食欲を刺激する特有の香りのロビオーラソースをタップリとかけて
これだけでも十分に美味しそうなんだけれど
羊モモ肉のローストを載せて
さらにフォンとマディラ酒のソースをかけ
ウドのベニエをトッピングして出来上がり! 白糠の恵みが薫り高くいただける逸品です。
頂く時は、ソースをたっぷりとからめて!
ロビオーラ 白糠酪恵舎
個人的にはモッツァレッラと並び、酪恵舎の双璧だと思っているウォッシュタイプのチーズ。パッケージに貼られた賞味期限から、冷蔵庫の中で5ヶ月以上経過したもの・・・ 造り手の意図している「食べてもらいたい状態」とは大きくかけ離れてしまっているのかもしれないんだけど、これがまた美味しい!
こんな感じで、パリパリの皮のバゲットにのせて頂くと、赤ワインが止まらない! 腕の長さほどのパンマルシェ製バゲットもみるみる無くなってゆきます。
振休前の夕食なので、西川農場のアスパラ羊ソーセージもおごって豪華に
あの ヴルストよしだ とのコラボ製品です。
ひとり飯だと、どうしても野菜が足りないのが歴然・・・
茶路めん羊牧場のミルクラム ガストーラ
アミューズのタルトフランベを食前酒の辛口シェリーと頂いた後は、安藤シェフに選んでもらったロゼワインで、年に一度の茶路のミルクラムを楽しみました。
本日のメインディッシュはミルクラムの三つの部位!
水菜とともにトッピングされているのは、武藤さんと安藤シェフが合作した茶路のマトンの生ハム。
具は香り立てのミツバのみ。コンソメのように深い味わいで、ビックリ!
ル・クルーゼのラムカンの中身はミルクラムの肺、胃、レバーとマッシュルーム、しいたけ。
ミルクラムのホホ肉、胸腺、脳みそをサニーレタスとフランス産パイ生地で包んで焼き上げたもの。ごちそう!
桜塩で頂くミルクラムは本当に美味しい。今年は塩漬けの桜の葉も付いてて、それで食べ比べも。レンズ豆は「アルデンテ」とのことで、食感も楽しめます。
ワインはこの頃すでに2本目に
青かびのレアチーズケーキ、意外にも美味しく、クセになりそうな味わいでした。
足寄石田めん羊牧場のミルクラム ラ・サンテ 札幌
ホワイトアスパラ尽くしの前半に続いて、後半のミルクラムを極める料理はこのスープから始まりました。
タンと気管が具として入っています。深い滋味、旨さが圧倒的
時計回りに部位はミンチ、肩肉、背ロース、モモ肉
別皿で付け合せのソテーしたアスパラも
赤ワインは他に
ニュイ サン ジョルジュ ’04 (ラルロー)
シン クア ノン ’00
道草さんの持ち込んだシン クア ノン。赤は初めて。これも素晴らしかったです。
みんなを幸せにしてくれる料理の作り手、高橋シェフです。見送りの挨拶の後に、いつも必ず付け加える言葉は「ガストーラの安藤シェフに、よろしくお伝え下さい」 。かしこまりました!
ラ・サンテ http://www.la-sante.jp/index.html
札幌市中央区宮の森1条6丁目5-1 M1.6ビル2F
[地下鉄西28丁目駅2番出口より徒歩5分]
はまなすワイン会OBセミナー ブラッセリー中なか
精鋭ぞろいの‘はまなすワインセミナー’修了一期生の集まりに、お声かけ頂き参加させてもらいました。谷口さんお気に入りのワインを、あの「中なか」さんのこだわりのお料理で楽しむ会です。
前菜5連発のトップは、ホヤの酢の物
これがノンドゼのシャンパーニュと不思議なくらい、良く合います。
エビとカニ(花咲)、もやしを寄せたものにカラスミを散らして
タパス風の前菜、どれも実に美味しかったのですが、これがやはりとびっきり! 花咲が「バターっぽい」味だとの表現、確かに。勉強させていただきました。
わさび醤油でいただくイベリコ、なかなか楽しい味わい。
この後にお寿司(鉄火巻き)とデザートのソルベもいただいて、大満足のお料理でした。釧路には本当に良いお店が揃っていると思います。
デザートに合わせて、マンゴー果汁入りスパークリングをサーヴする谷口さん
本日のワイン
頂いた順に右から
シャンパーニュ ブリュット ナチュール (ドラピエ)
シャンパーニュ カルト・ドール ブリュット (ドラピエ)
マルサネ ロゼ ’10 (ブリューノ・クレール)
シャトーヌフ・デュ・パプ ’09 (クロ・ド・ロラトワール)
パレオ ’07 (マッキオーレ)
ナパバレー ジンファンデル ’07 (ハイツセラー)
ママ マンゴー ’09 (アリオネ)
中なかオーナーシェフの中村さんにワインのテースティングを勧める谷口さん
料理とワイン、会心の組み合わせに固い握手
オーナーのバイクが目印(?) ブラッセリー中なか
釧路市栄町3-1 ユニオンセンタービル2F
TEL 0154-25-2339
営業 17:00~
二次会は、K
クローズ・エルミタージュ ’83 (ポール・ジャブレ・エネ)
大いに満たされて est di Zuppa
桜色の桜子、ではなくメインディッシュ 北見放牧豚のロースト
お肉の表面をマスタードとアーモンド、パン粉でカリカリに仕上げた手の込みよう!
お店に伺って席に着くと、まずCHIEFから「料理が出るまでに40~50分かかりますが・・・」と思いっきり冗談を交えた軽いジャブのウェルカム・トーク(笑)
「ユンボギさんの好きなナスを使った一品です」と、橋本シェフが最初の一皿を持ってきてくれました。 トマト、赤玉ネギ、ケイパーに囲まれてマグロが埋もれています。
ラビオリの中身は鱈とジャガイモ、旬のアスパラとホッキの食感に加え、ソースの味わいが何とも良くて、メチャ美味しいです!
橋本シェフの自慢のラグー(ミートソース)は、est di Zuppaの看板料理
メインディッシュに付け合せのヤングコーンは皮付きのままグリルしてるのだそう
砕いたピスタチオのカリコリ歯触り感とともに楽しんで、エスプレッソで締めくくり。間違っても、このデザートとコーヒーをパスするなんてことはしないでね(笑)
リストランテというものに通うようになった頃、「お腹がいっぱいで、デザートが入らない」と言ったら、親しくなったそのイタリア人シェフ Giulioに 「何のために今まで料理を食べてきたんだ。料理はドルチェを楽しむために在る。ドルチェを食べないなんて、信じられな~い!」とあきれられてしまいました。美味しい食事を楽しむお店から教わった沢山のことの、ひとつ。
釧路にこの素晴らしいイタリアン、est di Zuppaがある奇蹟に心から感謝!
【おまけ】 この時期限定メニュー
これで、十分
土曜日の勤務は午後4時前に終了。まだ明るいうちから、家で軽く一杯。かなり以前に購入したクリスチャン・ショサールのシュナンブランがセラーに残っていたので、それを
決して高価なワインじゃないのだけど、トロトロに熟していて実に美味しい!!! こういうワインがあると、がぜん家飲みが楽しくなる・・・、と言っても、この後さらに夜が更けてから、道東随一のイタリアンでもっと楽しい時間を過ごすために出かけたんですけど(笑)
上の写真のオードヴル中央に載っているのは、美唄アスパラ狩りの帰りに寄った西川農場の「アスパラ羊」の羊乳で試作されたモッツァレッラチーズ。山羊と勘違いしててクセがあるかな、と思っていましたが、あっさりとした味わいです。
その羊たちは、すごい勢いでアスパラをもりもりと食べていました。
残念な客でした 食べログ考②
ファストフード世代なんだろうなぁ・・・
時間がかかります、と最初に説明され、お店の混雑状況が判っているにもかかわらず、料理が出てくるのが遅いからと「客をバカにしすぎ」「我々客にとっては店の人繰りは関係ない」「肉料理は手が込んだ料理ではあったが、イライラも絶頂だったので、大した味わいもせず、3分で平らげ、デザートとコーヒーは失礼して店を後にしました。」というコメントで、お店を評価する残念な客。
この人はいったい何のためにレストランに行くんだろう?
短時間で胃の中を満たすためだけなら、そういう店は他にたくさんあるでしょう?
レストランというのは「食事を楽しむ」ところだから、楽しみ方を知らないと客も店も料理も、みんな不幸で残念な結果になっちゃいます。
食事の時間が倍になったら、幸せな時間が増えたと思って私は喜んじゃいますけど(笑) 食事を共にするような友人といっしょなら会話も存分にできるし、一人なら次のお皿が供されるまでの間に読みかけの小説が楽しめる。
食事の時間を楽しむ環境は決してお店だけが作るものじゃなくて、お店と(周囲の)客と「自分」が協力しあって創り出すという基本的なことを判ってないと、せっかくのお料理が台無し、可哀想です。テーブルマナーとはフォークとナイフの使い方じゃない、ってことを知ってる人なら、食べログでももう少しきちんとしたことを書けるんだけどなぁ・・・
それにしても、残念な客でした。
アスパラ三昧
美唄の内山農園で昨日収穫してきたアスパラを使って、晩酌の肴を。ワインのコルクに迫る立派な太さのものが多数!
グリーンアスパラは旨みの強い品種、ウェルカム。定番のアスパラベーコンに。吉岡さんのベーコンが欲しいところだけど、購入する時間が無くてスーパーで買ったもので代用。レシピもラ・サンテ高橋シェフのオリジナルではオーブン加熱なんだけど、フライパンでちゃっちゃっと済ましてしまいました。お腹が減ってオーブンを予熱する時間が待てないので(笑)
ほど良く火が通ったら、仕上げに黒胡椒を振りパルミジャーノ・レッジャーノをトッピング
美唄からの帰り道に寄った富良野マルシェのライ麦パンとともに。喉を潤す飲み物はセラーの忘れ物、カビだらけのラベルのオート・コート・ド・ニュイ白’99
土の中から手掘りしたホワイトアスパラ。これも手抜き、塩茹でする代わりにレンジでチンしてオリーブオイルをかけ回し、チーズを振って。
シンプル(簡単・手抜き)な分だけ、オリーブオイルは頂き物のギリシャ・クレタ島産EXヴァージンをおごり、そしてトッピングにはリコッタ・サラータを使いました。ホワイトアスパラ独特の苦味がEXVオリーブオイルの苦みとマッチし、うまみのあるリコッタ・サラータの塩味で美味しく頂けます。太い4本を、ペロリ・・・
アスパラ尽くし ラ・サンテ 札幌
夏日の札幌、平岡公園にて。釧路からの旅人には暑過ぎる陽気なのだけれど、散り際の梅の花が青空に映えて、まあ良いかな(笑)
夜は宮の森にあるフレンチレストラン、ラ・サンテで会食。翌日の美唄アスパラ狩りを控えての、恒例行事です。
アミューズは、まさしく土を掘り起こして収穫するホワイトアスパラそのもののイメージ。サワークリームチーズに十勝黒豆を砕いたものなどで、土が表現されてます。実においしい土です!
マッシュルームは、あの「十勝マッシュ」だそう。ソースの舌触りも楽しい一品でした。
この辺りまでは、乾杯のシャンパーニュと白ワインで
ワインは全て参加者の持ち寄り
もちろん白眉は、このマーカッサン。持ち込んだマサさんのお言葉は「ユンボギさんが以前、話題にしていたので・・・」と。このメンバーの前では、怖くてウカツなことは言えません(笑) 村上春樹の小説に出てくる「イノシシのエチケットの、シャルドネ」の生産者が造り出すモンスター級のカルトワインです。私にはたぶん一生に一度の出会い。
ここで高橋シェフが、塩釜焼きを持って登場!
シェフみずから目の前で釜戸開き(?)をしてくれます。
なんとも言えない微妙な塩加減が、このアスパラをすこぶるの御馳走にしています。
こちらに続く
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