道産ワインを酪恵舎チーズで試す
白糠町のレストランはまなす地下パーティルームで開催された、酪恵舎チーズ工房の生産品と道産ワインのマッチングに呼んで頂きました。参加されたメンバーは、はまなすワインセミナー修了第一期生精鋭の皆さんと、酪恵舎のスタッフを中心に20名ほど。
【 2013.4.9追記 】
この会の趣旨は
北海道運輸局 北海道観光推進戦略 p.23より部分引用
誇るべき羊肉もエゾシカ肉もチーズもある白糠で、近年脚光を浴びている北海道産のワインの現状を確認し、とりわけ酪恵舎のチーズとのマッチングを通して道産ワインの楽しみ方を広く推進しよう、というものです。
道産ワインでも、カルト的人気で入手困難なものは今回の趣旨から外れるので、一般に流通して家庭で気軽に入手できるものを酪恵舎がセレクトしました。
酪恵舎の8種類のチーズとの相性を試した道産ワインは6社10銘柄。
‘レストランはまなす’のワイン会といえば、地場の食材を多用した盛り沢山のお料理が定番なのですが、この日は水で舌をいたわりながら、ひたすら求道者のように酪恵舎チーズとワインのマッチングを探りました。
以下は、ワインを仕事にしていない素人である私の、あくまでも個人的な感想です。
自宅で酪恵舎のチーズをつまみにフランス、イタリア、チリ、カリフォルニアといった外国産の気軽なテーブルワインを当たり前に楽しんでいた感覚そのままに臨んだ今回のマッチング調査、かなりの苦痛を伴いました。 例えば、チリ産なら1000円台のワインでも口中で相乗効果を楽しめるチーズの数々が、道産ワインだと途端に「・・・・」。シャバシャバして、ワインがとても水っぽいものに感じてしまうと同時にチーズが不味くなってしまうのです。
「ワインは楽しむもので、欠点を探し出すものではない」というのが私のワインを前にした時の唯一の信条なのですが、不毛のマッチングを繰り返していると、つい愚痴をこぼしたくなってしまいます。多くの道産ワインは「楽しむもの」ではなく、食事の合い間に水代わりにノドを潤すためグビグビと流し込むものなのかなぁ、と。
そんな中で、十勝ワインのようにあまりにポピュラー過ぎて、逆に普段、口にすることの少ない銘柄が、チーズに負けない歴史の重みを感じさせるしっかりした味わいで迫ってきてくれて、新鮮な発見でした。
試したワインには、下の記事でも紹介されている初ビンテージ(2002年)が絶賛されたワイナリーのものも含まれていて、当時私も仲間と偶然それを味わい感動した経験があったので期待したのですが、今回も空振りでした。初ビンテージ以降、それを上回るもの(あるいは匹敵するもの)には残念ながら出逢えていません。
意欲のある生産者が増えてきていて、道産ワインはこれからなのでしょう。今後に期待したいと思います。
と、勝手な個人的結論を出した後は、いつもの はまなすさんの大盤振る舞いの お料理で楽しませていただきました。
ニラ&ベーコンのパスタ アグリオ風 酪恵舎サルーテのトッピング
これらのお料理は、ワイン先進地の甲州産のものといっしょに頂いたのですが、(残念だけど)さすがの相性できちんとワインも料理も楽しめる質を保っていました。何も難しいことを考えずに楽しめるレベルのワインを作り出すことは、決して簡単なことではないのだなと深く感じた夜でした。
日本酒の会 ブラッセリー中なか
破顔一笑の大将 I さんがプロデュースされた「JAPANを飲んじゃう会」にお声かけ頂き、参戦させてもらいました。
上の「日本酒」に合わせて供された、中なかさんのお料理にびっくり!
スパークリング水芭蕉にはチーズアソート
ぜんぜん違和感が無い、どころじゃなくて驚くほどとても相性がいい!
仙鳳趾産ムール貝の酒蒸し
釧路でも限られたお店でしか扱えてないという地場もの。鍋の中の旨みたっぷりのスープがまた、良い肴に
いろいろな切子のグラスで呑むお酒の味、趣きがあって楽しい!
エゾシカのロースト
これが日本酒に合わないわけがないでしょう (^^)
赤身のエゾシカの後に、脂ののったお刺身の妙
フレンチラムラック&テンダーロイン バルサミコ照り焼きソース
お料理はどれも、素晴らしい のひと言です。
この会のおかげで、私は日本酒に目覚めました・・・
釧路全日空ホテル サンティーユ
ホテル1階にあるレストランでの、改装を間近に控えてのイベント。楡金総料理長が地場の食材をふんだんに使って腕を振るう料理の数々を、チーズ工房 白糠酪恵舎のスタッフの皆さんと一緒に楽しませて頂きました。
棹前昆布と蕪のポタージュ 白糠酪恵舎ロビオーラ風味カプチーノ仕立て
シティーホテルのレストランならではの、ダブルソーサーが華やか
釧路沖 カラスハモとフランス フォアグラのテリーヌ マンゴーのソース
隠元のサラダとフランス アスパラを添えて
釧路沖サクラマスのグリル 赤ワインソース 根セロリのピューレとともに
酪恵舎のチーズを使っていないのに、スタッフみんながとても気に入ったお料理です(笑) サクラマスの皮のパリッと感、身のやわらかな火の入り具合の素晴らしい対比が大好評でした。
メインディッシュは標茶「星空の黒牛」、庶路馬木葉のエゾ鹿肉、そして上の仔羊の3種(あるいはその盛り合わせ)から選べるのですが、私と井ノ口さんは ためらうことなくこれ! 煮込みには肩肉、ローストには背肉を使っています、とテーブルに来られた楡金シェフが教えてくれました。
デザートは、頂く直前にシェフ自ら丹頂いちごのバルサミコマリネのソースをトッピングしてくれます。
ピスタチオ入りマカロンのせ パッションフルーツのジュレ詰めマルキーズショコラ
養老牛放牧牛乳のアイスクリームを添えて
ワインも、アンドレ クルエのシャンパーニュに始まりバローロで〆る、お料理に合わせた豪華なセレクションでした。 とても楽しく美味しい時間を、ありがとうございました。
福司酒蔵開放
地酒福司の製造所の、年に一度の開放日、kazumaさんから案内を頂いたので初めて伺いました。
ふだんは立ち入れない製造所内を自由に見学できます。
こんな感じで!
発酵中の「もろみ」。子どもの頃(昭和30年代)、今は寝たきりになっている父親が家でこっそり造っていたドブロクを思い出しました・・・
発酵を終えたもろみを搾る圧搾装置。左手前にある「のぞき窓」から、しぼりたての新酒が拝めました。
最後に、楽しみの試飲。この白い濁り酒が郷愁を呼び起こします。新酒の板粕でつくった甘酒も頂戴しました。自分用にその板粕も購入。充実した催しで、来年も来たいですね。
徒歩での帰りに、城山東家さんでお蕎麦を食べて・・・と思ったら、皆さん同じ考えのようで店内は満員御礼状態。一人だったので、カウンターにすぐ座れたのは幸運でした。
山椒をちょっと振ると、味わいがまたいっそう引き立ちました。隣のテーブルでは、やはり福司帰りの知人のグループが、お蕎麦と昼酒を楽しんでいました。
送別会
勤務先の親睦会の送別会をここで
立派な箸袋
りっぱな中身
以前、出張先の大阪で飛び込みで入った居酒屋で使ったのと同じ金額を一人当たり支払ったのだけど、料理を頂いてまた行きたいなと思うのは質素な(どちらかといえば「安っぽい」)箸袋に入ったノーブランドの割り箸で供される大阪のほう。
ワイン会はまなすOBセミナー すと~りあ
こだわりのワイン会マスター谷口さんに声をかけて頂き、参加しました。お店は谷口さんの師匠にあたるMシェフの、伊酒屋すと~りあ
まずはシャンパーニュ3連発。違いを際立たせた谷口さんのセレクションがお見事。ブジーのマッタリ感が個人的には好きなのですが、テタンジェはさすが!
シャンパーニュの後の、ソアーヴェに合わせて料理を楽しんでま~す。
ここからは、赤に合わせたお肉料理が
モッツァレッラの黒毛和牛包み バジルリーフをアクセントにしたソース
薄切りの和牛と中のとろりとしたチーズのハーモニーが、美味いです!
阿寒のSさんの仕留めたエゾシカ肉ロースのロティ バルサミコソース
このエゾシカの美味しさに、みんな唖然。谷口シェフも私も「これがエゾシカ??」と驚いたほど、ふだん食べているエゾシカ肉とは次元の違う旨さ。とろけるような脂身は、喧伝されている‘ヘルシーな赤身’とは異なった、本能(‘肉’欲)を満たす享楽的な味わいでした・・・ 赤ワインがめっちゃ進みます。
トップ写真で谷口さんがサーヴしているのが、この〆のソーテルヌ
カスレ ガストーラにて
ガストーラのブログで、出来てるよ!と案内のあったカスレを頂きに伺いました。
相当かなり断然とびっきり食べ応えのあるカスレがメインなので、前菜はとにかく抑えます(笑) 白ワインはミネラルを感じる珍しい南仏のゲヴュルツトラミネール
標津産ホタテ、菜の花、ホワイトアスパラなどをメヌケのソースで固めた滋味たっぷりのテリーヌ。とても手間がかけられているのが判り、まさしくレストランでだからこそ頂ける味わい。両サイドのクリーム状のソースは三友牧場のヨーグルトを使って。
メインのカスレは、安藤シェフみずから熱々のプレートに取り分けてくれました。
知床鶏のコンフィ、にんにくを効かせた自家製ソーセージ、白花豆とトラ豆などを使い、1週間かけて仕込んだものだそう。
安藤シェフがすすめるフランスの地元での食べ方にならって、南仏ラングドックの濃いメルローを気取らないグラスでグビグビと飲みながら、カスレを楽しみました。
マスカルポーネの中にはクリスピーなチョコが隠れています。安藤シェフがバスクのレストラン Chiro で働いていた時に出していたデセールだそう。ガストーラに来たら安藤シェフのデセールは絶対食べないと、ソンした気分になります(笑)
うま味 Umami
2月23日に開催された第3回くしろエゾシカシンポジウムで来場者に提供された試食用のイオマンテ風コロッケには、エゾシカ肉そのものだけでなくその味付けにも、エゾシカ肉から作られたこの醤油が使われていました。そして、ゲスト講演者&スタッフ打上げのパーティが行われたレストラン イオマンテで出されたエゾシカのガレットの風味付けにも。
舟崎シェフによると、たまり醤油のように濃い味わいなので、ほんの少し使うだけで十分なんだそう。北見にあるオホーツク圏地域食品加工技術センターで開発中のサンプルのため、非売品だと、この醤油の開発に携わった研究員のNさんから伺いました。
ところで、2月28日放送のNHKテレビ番組「クローズアップ現代」にて、酸味(さんみ)・甘味(かんみ)・塩味(えんみ)・苦味(にがみ)に続く5番目の味、「うま味」が世界のトップシェフたちの間で大きな注目を浴びている様子が紹介されました。日本料理から学んだ「うま味」を、日本とは違う素材から引き出そうとしていたのは、料理界のアカデミー賞と呼ばれる世界レストランランキングで3年連続1位となったデンマークの noma 。大豆ではなくエンドウ豆から作った味噌 pea-so とか。そしてなんと、鰹節ならぬ「鹿節」を造って‘ダシ’をとっていました!
(NHKの こちらのサイトで視聴できます。鹿節は5:10に登場)
阿寒えぞ鹿醤もうま味の凝縮物だったけど、鹿節には驚かされました。でも、私が知らなかっただけで、ネットで調べたら日本の静岡でも試作しているようですね。
うま味、そんなに注目されているんだ。ずい分前にGiulioがブログで「‘UMAMI’を生んだ国に居を構え・・・」みたいな自己紹介をしていたのは、そういうことなんだと合点がゆきました。