星座の無い星空
第140回釧路ワインを楽しむ会の、世話人さんセレクトは「(地中海あたりの)マイナーなワイン」。あまり馴染みがない地域の、まったく知らないブドウ品種で作られたワインが出てきました。なにしろ、エチケット自体がぜんぜん読めない(笑)
世話人さんが地理上の勘違いでいっしょに選んでしまったというグルジアのワインです。1300円ほど。これ、花のような甘い香りで、口に含むとすっきりとした辛口の、とてもおいしいワインでした。
世話人さんいわく、「造り手とか、ブドウ品種、ビンテージや諸々の評論家の評価、ワイン雑誌の話題などの情報による先入観から離れて、ワインそのものに向き合える冒険のようなセレクトも、たまには良いかなと。それで失敗もするけれど、私は打たれ強いので(笑)」
天体観望に熱中してた中学生の頃に愛読した「天文ガイド」という雑誌に、当時の地元(福島県)在住のアマチュア天体写真家で藤井旭さんという方が、南半球でしか見られない彗星を撮影にオーストラリアへ遠征した時のレポートにこんな風なことを書いていました。
初めて見る南半球の夜空。北半球の日本からは見られない星空には、いつもの見知った星座がひとつも無い。星座に邪魔されない純粋な「星空」を、久しぶりに眺めることができた。
私の座標軸に無かったグルジアの白ワインは、そんな感慨をもたらしてくれた1本でした。セレクトした世話人さんに、座布団10枚!
今回の厨房拝見、仏産ホロホロ鳥のシェリービネガー風味を仕上げ中の十文字シェフです。
| 固定リンク
コメント