ラスト・ビンテージ
ローヌのコトー・デュ・トリカスタン(Coteaux du Tricastin)、このAOCがあることは福島の原発事故があるまで知りませんでした。
先月半ばの朝日新聞別冊GLOBEの記事
南フランスのトリカスタン平原は「コート・デュ・ローヌ」で知られるワインの一大産地だ。穏やかに晴れた空の下にブドウ畑が広がり、人々は昼飯時から赤ワインのグラスを傾ける。
「フクシマの被害には、本当に心が痛む。とても他人事とは思えないよ」
トリカスタン平原でも不安が急速に広がっているという。ここのもう一つの名物は原発なのだ。原子炉4基のほか、ウラン濃縮施設など関連産業が集まっており、再処理施設がある北部ラアーグに次ぐ国内第2の原子力基地である。2008年7月8日、ウラン濃縮工場の廃液処理施設で天然ウラン74キロを含む廃液がタンクから流出。地元のボレーヌ市で緊急態勢が発令された。事故の深刻さは、8段階の国際評価尺度(INES)で下から2番目の「レベル1」。地下水の使用や川での遊泳、漁業が禁止された。「ボレーヌ」「トリカスタン」と名がつく農産物は売れなくなり、地元ワイン「コトー・デュ・トリカスタン」も名前を変えた。
記事を読んだのと同じ頃に案内が来たワインショップのメールに、偶然だろうけど「コトー・デュ・トリカスタン」とあったので、ん? 名前変わってないの?と思ってWikipediaなんかを見てみたら、
2008年に起きたトリカスタン原発事故により風評被害を受けたことから、(2010年より)AOC Grignan Les Adhémarと名称変更を余儀なくされることとなった。
らしいです。風評で名称変更、狭い日本じゃできない(意味ない)ですね。
ちなみに東日本大震災義援金込みで1,281円のこのワイン、日常の食卓で十分楽しめます。
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