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熊を撃つ

 

Bear_hunter

キラコタン岬を氏原さんに案内してもらっている時にエゾ鹿食害の話からハンターの後継者不足に話題が及び、さらに巷で評判の「羆撃ち」を読んでいる最中であることを話したら、「熊谷達也のマタギを描いた『森三部作』も面白いですよ」と教えて頂き、その中からまず手に取ったのが「相剋の森」

「羆撃ち」は標津町在住のハンター自身の手になるノンフィクション。ヒグマを追って自然の中へ分け入ってゆく時の描写、その文体に、ただただ圧倒されて。猟の対象としてのヒグマに最高の敬意を表していることが伝わってきます。

「相克の森」は山形に県境を接する新潟県北部の、熊猟を伝統的に行う山村が舞台の小説。猟の対象はヒグマではなく、こちらはツキノワグマ。そして一般的なマスコミや教条主義の自然保護論者が理解しようしない(できない?)、熊猟がれっきとした「文化」であることを教えてくれる本。ちょっとウサン臭い自然保護団体も登場してきて、グリンピースに限らず、耳あたりの良い「自然との共生」を叫ぶものの実体がいかに薄っぺらいものであるか、見えてしまう。もちろん、ハンターのなかにも「文化」のレベルに達していない、(自然への)礼儀知らずが多くなってきているのも問題らしいのだけれど

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