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どちら側にいる?

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著者は「図書館戦争」シリーズ(未読)の作者。名前の浩は「ひろし」じゃなくて「ひろ」と読み、女性だということは読後に気づきました。人類が初めて遭遇する巨大な知的生命体との交流をタテ糸に、私好みの人間模様をそこに絡めて物語がつむぎ出されてゆきます。

何も無いはずの高度2万メートルの上空、そこで高性能ジェット機の事故が立て続けに起きる。最初は開発中の民間超音速ビジネスジェット機スワローテイル、続いてF15J自衛隊機。スワローテイル製造元の日本航空機設計から事故調査委員として自衛隊に派遣された春名(はるな)が、事故の唯一の目撃者である自衛隊パイロットと初めて相対する場面

「いろいろあるの、分かるよ。俺の仕事もやっぱり女性は少ないしさ。大変そうだなってのは分かる。でも、仕事してると思うんだけれど、一緒にやってたら男女って関係なくない? 男女差よりは使えるか使えないかが一番重要なわけで。使えるほうに入っていたいってのは、多分、男女関係なく皆が思ってることだと思うけど」

能力ある女性に時おり(しばしば?)みられるキツクテぞんざい、あるいは頑(かたくな)な物腰。女性であるがために不当に低く評価されてる、と思い込むことからくる僻み。

「一緒に働いている奴は、誰が使えて誰が使えないかちゃんと知ってるもんだよ。」

それをあとから実感する。本筋(?)の知的生命体と対策本部の戦略的駆引きが、またすごい。大人のライトノベルをめざして書かれたという本書。すらすらと読めるのに読後の感動、充実感は重量級。二重花◎をあげたいです。

 

ピカソ - シネマ ♪

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