« 春採夏祭り | トップページ | 野菜中心の »

本当の幸せ

Between_kawakami

翼はいつまでも」の著者のエッセイ。文庫本で出ていたのを見つけて「ヴァン・ショーをあなたに」といっしょに先日購入したもの。実はこの著者、ストレスで肝臓を壊して、前作の「雨鱒の川」から次の「翼はいつまでも」を世に出すまで、10年近く隠遁(?)生活を送っていました。その間の、16歳下の奥さんと一人娘とともに過ごす八ヶ岳山麓でのつましい日常が描かれています。都会での病院通いで治らなかった肝臓が、勘当同然で家出してきた女性と暮らし始めたことで

とにもかくにも、彼女がやってきて三度の食事をきちんととるようになった。しかも、独身時代には考えられなかった野菜中心の食事である。高原の村は夜が早く、静かすぎて、テレビもよく映らず、早寝早起きの健康的な生活となった。食生活の改善と規則正しい生活、気分がいい時には好きなテニスと釣り、野菜作り、庭造りをし、野山歩きにたき火大会とくれば、ストレスなど皆無、病院に通わずともすっかり元気になってしまった。

といっても、収入はほとんど無いので貧乏暮らしのまま。現金収入につながる締め切り仕事はまだせずに、書きたい小説をのびのびと書いてみたい、と恐る恐る奥さんに告げた時の返事は

「そうね、たまにはワインを飲ませてね。それで文句はないわ」

そうして書かれたのが名作「翼はいつまでも」
  

親子三人の、お金は無いけど幸せな時間がたっぷり描かれたエッセイです。

 

Lemaire_fournier

金曜に夏休みをとって3連休となった週末、甘口のヴーヴレイを。もう手に入らないと思い、大事に取っておいた名手ニコラ・ルナール醸造のルメール・フルニエのバックビンテージが複数のネットショップにお手頃価格で出ているのに気がつき、あわてて2003年のものを買えるだけ発注してしまいました。実際、手持ちのレ・バール(右)を開けると「このワイン以外、なにもいらない」、美味しさ。毎夜、グラス1杯づつ味わえたら、幸せな1日の締めくくりになると思います。

|

« 春採夏祭り | トップページ | 野菜中心の »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« 春採夏祭り | トップページ | 野菜中心の »