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ホテルの茶会

昼を挟んで2時間ほどの日曜出勤の前に、いつもの徒歩通勤経路をちょっとそれてPホテルロビーへ。ワイン会仲間のハタ坊さんから、自分が指導する大学茶道部の学生たちによるお茶会をそこで開きます、との案内をいただいていたので。メインゲストはオーストラリアからの観光客の方たちでした。気後れしつつも、混じって本格的なお抹茶とお菓子を味わってきました。茶道のことを観光客に達者な英語で説明していたのが、金髪(もちろん染色)で長髪の西川貴教(T.M Revolution)によく似た男子学生。和服(浴衣?)を着ていたけど、アンバランスなことハナハダシイ(笑) でも、会場の和やかな雰囲気は、彼から醸し出されていたのも事実。茶道をやる男性は高倉健のように短髪で着流しが似合う人、というのは古い固定観念のよう。

 

最近読んだ本を何冊か

Ninkyo_swimmer  

着流しが似合う、彫り物を背負った青年組長の痛快小説。単行本で出た時にずいぶん迷ったけど結局買わず、文庫になって手にしました。物語の3分の2は水泳のスポ根ものとして読んで面白い。競技のシーンがきちんと描けているので、北島康介の泳ぎを目の前にしているような興奮が感じられます。残り3分の1は、一転してヤクザの殴り込みへ。テロリストに占拠されたTV局に、偶然出演してた妻を救出するため、ドスを持って着流しで単身乗り込んでゆく。ありえない話でとことん楽しませてくれます。

 

A_wandering_blade

秋葉原の事件もそうだけれど、事件の原因が犯人の育った家庭環境やそれを取り巻く社会の状況にある、というよく目にする論調に対して、あえて議論をふっかけている小説、と私は受け取りました。特に、未成年の犯罪者の更生を期待する少年法は、あまりにも性善説に立ち過ぎている。更生しない「悪」に法の庇護は不要、ということを一人娘を殺された父親を主人公として語らせています。東野圭吾お得意の、最後の最後で提示されるドンデン返しも健在。でも、主人公が成仏できないであろう結末は、可哀相。

 

La_decoration_du_chocolatier

ショコラティエの勲章、読み始めてすぐ「あれっ、この登場人物とお店、記憶にあるな」と思ったら、ラ・パティスリーと同じ著者。気がつきませんでした。前作より数段面白く、作者は違うけど、6話からなるスイーツ版「タルト・タタンの夢」(近藤史恵)と思ってもらえば近いです。パティシエやショコラティエとしての修行、独立をめざす人間模様が描かれていて興味が惹かれます。甘いものを無性に食べたくなるのが、ちょっと困るところ。ガストーラのクレーム・アングレーズのムースが頭にチラつきました(笑)

 

晩酌ワイン Touraine_pouille

一番手前のトゥーレーヌ・プイエ、ティエリー・ピュズラの手になるワインですが、2004年のこれはドメーヌ・ボワルカのガメイを使って造られたもの。従って、ボワルカのキュヴェ・クニコとは育ちの異なる双子の関係。マスコミで当時大々的に取り上げられたことから、本家筋のクニコ2004年はあっという間に姿を消して、手に入りませんでした。ちなみにプイエ、育ちが違うと味わいも(例年と)こんなに変わるのか、という印象。家庭環境や社会の状況がやっぱり影響するのかなぁ・・・

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