ワイルド・ソウル その後
薬害エイズ問題で官僚が隠し続けていた資料を明らかにして謝罪した当時の菅厚生大臣の英断と同じぐらいの感慨が、22日土曜日の朝日新聞のこの記事を読んで湧きました。6月の東京地裁判決では国が「勝訴」していたけれども、内容的に「実質敗訴」と判断した小泉首相が官僚の反対を抑え「異例の『おわび』」をしたとのこと。首相はブラジルへの移住者のいとこを持ち、移民(棄民?)の苦労を多少理解していたことも影響していたよう。
ブラジル棄民を題材にした小説「ワイルド・ソウル」、この中にもドミニカ移民訴訟が出てきて、単行本が刊行された2003年8月時点での記述は、ドミニカ移民問題にも見られるように、いくら国を相手取って訴訟を起こしたところで、国側からの誠意ある回答と公式の謝罪は21世紀に入った現在でも未だに見られない・・・ 小説より現実が、ちょっと良い方向に行ったみたいですね。ところで、小説の本筋のブラジル棄民問題についてはどうなったか? 主人公達がある事件を仕掛けた結果の、首相官邸での記者会見。(以下、ネタばれ注意!) 「わが政府と致しましては、今回のような事件が起こったこと、そして今回の事件を引き起こすような要因が、わが国の過去の歴史にあったことを、きわめて遺憾に思っております」 ・・ そのまま首相が足早に立ち去ろうとする。新顔の立場を忘れ、貴子は思わず叫ぶように言った。「今の発言は、外務省の過去の過ちをお認めになるということでよろしいんですね?」 ・・ 相手は苦虫を噛み潰したような顔で口を開いた。「・・・・差し支え、ありません」 重いけどホッとする読後感が得られる結末です。実はもうひとつのハッピーエンドが用意されているのですが、それは読んでのお楽しみ。お勧め本です。
夕食は美味しいトマトジュースを使ったお手軽ガスパッチョ。ガストーラでの講習会の時に安藤シェフが「酪恵舎のモッツァレッラもガスパッチョの具としていいですよ!」と仰っていたので早速試そうとしたら、さすが北釧水産さん、モッツァレッラを使ったレシピが同封されていました。ちなみに浮かべたイタリアンパセリは、きょう日曜出勤のついでに勤め先のハーブガーデン?から摘んできたものです。ねこPUNさん、ありがとう! ハーブ、元気に育ってますよ。
届いたばかりのルー・デュモンのパストゥグラン03、我慢しきれず開けてしまいましたが1000円台と思えない素晴らしさ。こういうの好きなんです。
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