悦楽の終焉
とうとう完結してしまいました。茅田砂胡(かやたすなこ)という変わった名前の作家の長編ファンタジー「デルフィニア戦記」(中公文庫)。先週土曜日にアイスホッケーを見る前の時間つぶしで、出ているのを見つけてしまい、とても残念な気持ちになりました。全18巻の最後。もともとは新書版のティーンズノベルとして出ていたらしく、そちらの方の表紙らしきものを見るととても手に取るのをはばかる装丁です(いわゆる少女マンガの外人キャラ)。幸い、文庫になって出逢ったので、抵抗無く入りハマりました。なんてったって一番信頼している書評家、北上次郎(=初代「本の雑誌」発行人・目黒孝次)の大推薦ですから、ハズレません! 同じく大傑作の小野不由美「十二国記」と並ぶ、異世界冒険譚の代表的長編でしょう。一度は玉座を追われた王が、異世界から来た信頼できる友と出会い、平和な大国を築く波乱万丈の物語、という陳腐な説明しか出来ませんが、帝王学や人道、正義が大人の味読にも耐えられるように盛り込まれています。というか、大人になってからじゃないと本当の面白さは理解できないんじゃないか、と思うぐらい。
先週末はもう一冊。直木賞作家、奥田英朗の「サウスバウンド」。書名は南行きの、ぐらいの意味。もと過激派の父を親に持つ子供の目からみた社会。この本もおもしろいです、おススメ。読むのは、お米屋のFさんに先を越されてしまいましたが(笑)。都会では家でごろごろして働かず、たまに外社会(世間)に関わると揉め事を起こすダメ親父が、原始共産制的共同生活をいまだ営んでいる八重山諸島の西表島に移住するとガゼン輝きだす。子供の目で見ても、どっちの生活が本来の「人間的」なものかは明白。ダメ親父が都会に住むフツウの人たちに投げつける言葉「集団は所詮、集団だ。ブルジョアジーもプロレタリアートも、集団になれば同じだ。権力を欲しがり、それを守ろうとする」「個人単位で考えられる人間だけが、本当の幸福と自由を手にできるんだ」 初めて読んだ奥田英朗の作品ですが、しばらくはこの人の本を手にしそうです。
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コメント
今日は振替でお休みなのです。
これからクリスマスショッピングにでかけ、帰りにジムに寄って一汗かいてきます。
♪All I want for Christmas is muscle〜
デルフィニア戦記ね、、、 φ(‥ )メモ
あとで紀伊国屋にも寄ろう。。。
でも、この本はヤバそうな匂いがしますね〜
完璧に私がツボっちゃいそうな本じゃないですか(笑)
お正月はこれで決まりですね。だらだらゴロゴロ、デルフィニア、、、
サウスバウンドはとても楽しい作品でしたね〜 読後感が素晴らしかった!
今年の夏宮古島に遊びに行き、美しい自然とジモティーの素朴な人柄に心を動かされていたところにこの本を読んだので、沖縄移住の夢が大きく膨らんでしまいました。じつは「いいあんべぇ沖縄島暮らし」という本で密かに下調べをしていたりします。(笑)
この本によると、西表島より宮古島のほうが移住しやすいとのこと。サトウキビ→葉タバコ→マンゴーと、畑仕事を巧く繋げばけっこうな収入が得られるようで、なかなか見通しは明るいです。ただ、低血圧で夏に弱いこの私が、灼熱地獄の沖縄で、しかも屋外の畑仕事ができるかどうか、、、、、、 ?
奥田作品の中でサウスバウンドは少し変わった作風なので、同じような傾向を求めて別の作品を手にされるとガッカリされるかもしれません。でも「邪魔」や「最悪」などのミステリーは面白いですのでぜひ読んでみてください。ストーリー展開が凄くて、どんどん読まされてしまいますよ。直木賞作品の空中ブランコやインザプールはイマイチです。でも主人公の医者がサウスバウンドの父親のように濃いキャラでなかなか笑えますが。
できれば東京物語という小説を読んで感想をお聞かせいただければ幸いです。まだ読んでいないのですが、少々気になっている作品ですので。
今、私のイチオシは「生協の白石さん」です。
こんなにユーモアにあふれ、心温まるレスポンスができる白石さんという人はとても素敵な人だと思います。それに恵まれた文才が心底うらやましい。。。
あっ、宮古島の生協でレジ打ちってのもいいかも〜(笑)
それにしても、十二国記はいいかげんに続編を書いてほしいですよね
投稿: Kana | 2005年12月14日 (水) 13時16分
十二国記はあれでお仕舞いかと思っていました。まだ出る可能性があったんですね。
本の好みは不思議なもので、こっちの釧路ワイン会にも偶然「十二国記」「デルフィニア戦記」の愛読家がいるのですが、それ以外は微妙に(大きく?)好きな傾向が違うので、おススメを勧めて(ヘンな表現)ヒンシュクをかったこともあります(笑) 私と好みが完全に一致しているのは、北上次郎ぐらいですか・・・
投稿: ユンボギ | 2005年12月14日 (水) 22時53分
え!? 可能性があるかなんて、そんなの著者にきいたわけじゃないからわかりませんけど、、、
あれでおしまいって そんなぁ、、、(かなりショック)
投稿: Kana | 2005年12月14日 (水) 23時52分