« ワインが美味しくなる本 | トップページ | 年末大掃除 開戦! »

お米作りのこころ

takahata  いやぁ~、すごいドキュメンタリーを昨晩見てしまいました。おいしいお米のコンクールで3年連続金賞をとった山形県高畠町の上和田有機米生産組合を取り上げたNHK教育テレビの番組です。米作りの1年間と、有機農業に地域として取り組むことになった経緯が描かれていたのですが、その中心的人物である星寛治さんや遠藤五一さんの語る言葉は、ワインの世界で「ブルゴーニュの完全主義者」と言われているマダム・ルロワのそれと不思議なくらい一致していました。いわく、「正しい米作りは環境作りです」「面積あたりの収量を減らすことによって、米の質も変わってくる」。無理に多収量にするとそれに伴い、病気の発生も高率になる由。ワインも基本的にはブドウ作りの良し悪しにかかってくると言われていますので、農業の原理・根本はいっしょだ!ということに気づかされました。

田んぼの土作りのために「力素(りきそ)」という微量要素を撒く場面があります。以前私が研究のため何種類もの動物細胞を培養していた時に、細胞の活力を維持するのに培地に添加していたトレース・エレメントと同じセレン・ガリウム・モリブデン等でした。有機農業って、単に堆肥を撒くだけじゃなかったんだ、と自分の無知を改めて知りました・・・  6月、田植え後の田んぼの風景。カエルの鳴き声がうるさい位聞こえます。辺りの水路にはタガメ、ヤゴ、ゲンゴロウなどの水棲昆虫が。子供の頃にあたりまえに馴染んでたもの(私は福島県会津盆地の生まれ育ちなので)が、今では「希少生物」として有機農業を評価する尺度に使われていることにもビックリ。それだけ「自然」が無くなって来てるんですね。今から19年前、遠藤さんが有機農業のリーダーだった星さん達とそれまでの「慣行栽培」から「有機栽培」に切り替える決心をした1986年当時のひとこま、ヘリコプターによる大規模な農薬散布。農道には無数のトンボが死んで落ちていました。「生産者である農家自身が農薬による肝障害などで被害者になっている、さらにそれを消費者にも広げてしまう」そんな危惧から近隣の農家に声をかけて農薬に頼らない上和田有機米生産組合を星さんは立ち上げたと語ります。 

それにしても、完全無農薬農業の雑草取りの大変さ。言葉では説明できないほど。ここで挫折する農家が多いというのが理解できました。あれだけの労力、そしてそこから生み出されるお米の美味しさに見合う対価を私は払いたいです。日々充実して過ごすこと=「文化としての農業」を実践している人々が作っているこのお米、うれしいことにご近所の「げんき米」舟木米穀店で扱っています。小さいのに、大きなお米屋さんです。

|

« ワインが美味しくなる本 | トップページ | 年末大掃除 開戦! »

コメント

フムフム……野菜も同じですよね。。。それにしても、ユンボギさんて、もしかしてタメでお話してはいけない花鳥様なのかも???格調高い!!御言葉に御気を御つけ御あそばさないと??(゜Q。)?? =P.S:シマブクロさんよぃわ♪よぃわ♪♪お気に入りに登録!!=

投稿: | 2005年12月19日 (月) 06時33分

 ↑ 私も忘れちゃった…寝ぼけてる(゜▽゜)

投稿: erikoriko | 2005年12月19日 (月) 07時29分

すみません、相変わらずコメント頂いている事の5分の1も判りません。最後の「シマブクロ」はエゾフクロウのことですか? 
ジェイク・シマブクロのことではジェッタイないですよね。

投稿: ユンボギ | 2005年12月19日 (月) 23時08分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: お米作りのこころ:

« ワインが美味しくなる本 | トップページ | 年末大掃除 開戦! »