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アンゴスチュラ・ビターズな君へ

Angostura_bitters

おいしい料理を食べると、いつもよりお喋りになるね。

この本の帯に記された上の惹句は、真実です(笑)

クリスマスイブの夜、フレンチレストランにやってきた4組の男女。
カップルのどちらか、あるいは担当するスタッフの誰かの
微妙にずれた反応がクスッと可笑しさを醸し出す

二名のご予約、これは問題なし。四名もしかり。三名のご予約、男性と女性と誰か・・・、ちょっと気遣いが必要。三名のうち一名が遅れて来る場合、つまり、この場合、要注意。

「誰よ。お連れ様って」
「君に紹介したいと思ってさ」
「え? 新しい彼女?」
「そうじゃないよ。君にどうかなって・・・・・」
「どうかなって・・・・・、え、また?」
「今度のことでは責任感じてるんだ。ほんとに申し訳ないと思ってる」
「まさか、彼女がいたとはねえ・・・・・」
「そんな奴を紹介しちゃってさ、悪かった、ごめん」
「結構好きになっちゃってたから,辛かったけど・・・・・。ま、しょうがないわよ」
「彼女がいるなんて、そんなこと一言もいってなかったんだよな、あいつ」
「ル・クルーゼのお鍋、デパートに一緒に買いに行ったの」
「え?」
「その帰りよ。ちょっとコーヒー飲もうって。そしたらちょっとどころの話じゃないじゃない。あたし泣きながら重たい鍋持って帰って。雨は降ってくるし・・・・・。なんで鍋買う前に話さないかね・・・・・」
「ほんとだよな」
「その鍋で料理作るたびに泣けてきて」
「捨てちゃえばいいのに」
「二万八千円もしたのよ。高い鍋なのよ。捨てられないわよ」
「あ、そうなんだ・・・・・」

もともとロングランの人気舞台を作者自身が小説化しただけあって、テンポが小気味いいです。ここではあえて触れないけど、出てくるお料理やドリンクの描写もとてもおいしそうでそそられるし。

ボタンの掛け違いのマリアージュには、驚きのおいしさがある

恋と料理は考えないで、まずは始めてみることです

お酒を飲んで泣く人はいても、ケーキを食べて泣く人はいない

なんて朝礼での「今日のひとこと」に使いたいような金言があふれているし(笑)
とてもおいしい本です。おすすめします。たくさんの挿絵もすてきです。

Angostura_bitters2

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